すしのまち新担当、海へ放り出される。釣る・さばく・握る。寿司づくりに挑戦!
肩書きはある。釣ったことはない。
今年の春から「すしのまち とやま」の担当になったTと申します。
寿司はもちろん大好きな私ですが、
寿司の知識は?と聞かれると…実は知らないことばかり。
なんなら富山湾で魚を釣ったこともありません。
富山の寿司をPRする担当なのに、
富山湾のこと、魚のことを知らないまま
私は“すしのまち”を語れるのか…。
その答えを探すべく、
上司と同僚を道連れに、天然の生簀こと富山湾へ向かうことにしました。
まずは魚を釣ってみる。
早朝、5時。
まだ静かな岩瀬のまちに集合しました。
案内役は地元の鮮魚店で魚を扱い、釣りにも精通するKさんです。
頼もしい皆さんと一緒に、いざ出発!


船が岸を離れていきます。
富山湾の朝の潮風は気持ちがよく、
「たくさん釣れるといいな~」なんて、気楽な気持ちで考えていました。
(しかし魚たちは私の期待など知る由もなく…。)


私は、竿の持ち方から教わるくらいの超初心者です。
Kさんに仕掛けの扱い方を教わり、仕掛けを海に落としてみます。
はじめは、海に糸を垂らしているだけで楽しかったのですが、
魚が食いついた時の振動にワクワクしつつ
そのときを待つこと数十分…。
全然反応がありません。
場所を変えて2箇所目。
釣れない。
3箇所目。
…全然釣れない!!
富山湾は美しく、朝の空気も気持ちいい。
でも徐々に景色を楽しんでいる場合ではなくなってきました。
1匹も釣れなかったらどうしよう…。
「すしのまち新担当、海の厳しさを知る―初めての釣りは手ぶらでトホホ―」
…絶対そんな記事にだけはしたくない!
そんな妄想を繰り広げる私の隣でも、Kさんは落ち着いていました。
「大人の余裕、大人の余裕」
脳内で念仏を唱えながら、私も懸命に落ち着いたふりをするのでした…。
気がつくと太陽は高く昇りはじめています。
じりじりした暑さを感じながら向かった4箇所目。
最初に反応があったのは
同僚で私と同じく釣り初挑戦だった0さんでした。
「かかった???」
半信半疑でリールを巻いていく0さん。
水面には魚の姿が!

“海の貴婦人”と呼ばれるキスが釣れました!
たった一匹ではありますが、
Oさんが釣り上げたこの一匹のおかげで
船の上も一気に盛り上がります!
そこからは、皆さんにも少しずつ当たりが出始めます。
私も夢中になって竿を握りました。
どうやらこの場所がポイントだったようで、
先ほどまでの静けさが嘘のようにあちらこちらで竿がしなり、リールが鳴りました。


次々と釣り上げていく上司の皆さん!

私もなんとかキスを2匹釣り上げることができました!

結局この日の釣果は、キス18匹とカワハギが1匹。
最初はどうなることかと思いましたが、
無事に釣れて一安心です。
海の貴婦人と呼ばれるだけあり、まな板に並べたキスは本当に綺麗。
そして初めて自分で釣った魚は、思った以上に嬉しいものでした。
海から戻ると、鮮魚コーナーがいつもと違って見えた。
港へ戻った私たちは、近くのスーパーマーケットへ。
鮮魚コーナーには、ノドグロ、アジ、ウマヅラハギなど
朝獲れの魚がずらりと並んでいます。
「少し前までは海の中にいた魚が、もうスーパーに並んでいるなんて!」
いつも見ていたはずの鮮魚コーナーで、そんなことを思ったのでした。
富山では、朝に獲れた魚がその日のうちにスーパーに並びます。
海から食卓までの距離が驚くほど短い。
これが富山で魚を楽しむ面白さであり、
魅力の一つなのだと感じました。
このことは、ぜひ多くの人に知ってもらいたいです。

自分たちで釣ったキスとカワハギに
店頭で購入したウマヅラハギ、ノドグロ、アジをくわえ、
いよいよ、第二ラウンドの開幕です。
自分で釣った魚なのだから、
何がなんでも美味しくいただきたい!
そんな意気込みで、包丁を持ちます。
うろこを取り、腹を開き、3枚に下ろしていく
…はずが、うーん本当に難しい。
包丁は思うように進まず、
そして身は容赦なく崩れていく。
骨はどこだ…。
皮はどちらへ引くのか…。
さっきまで「自分で釣った!」と喜んでいたキスを前に
急に無口になる私。
Kさんに分かりやすくキスのさばき方を教わりますが、
なかなかの苦戦を強いられます。

そんな私の横で、迷いなく包丁を動かしていたのが、私の上司です。
普段から自宅で魚をさばいているとのことで、
私が一匹のキスと格闘している間に
次々と三枚おろしにしていきます。


同じ魚、同じ包丁なのに、仕上がりが全然違う。
実際に自分でやってみると、
一切れになるまでにもたくさんの繊細な技術が必要なことがわかりました。
ちなみにキスはたくさん釣れたので、
寿司だけでなく天ぷらにも挑戦します。
薄く衣をまとわせ、油で揚げると美味しそうな狐色に。
食べるのが楽しみです!

不格好。でも、これが私の一貫!

いよいよ握り寿司に挑戦です!
何とかさばいた切り身は少々いびつなでしたが
それでも自分で釣ってさばいた魚。
形はともかく、ちゃんと最後まで美味しくいただきたい気持ちでいっぱいです。

ネタは、釣ったキスとカワハギ、朝どれのノドグロ、アジ、ウマヅラハギ。
赤シャリを手に取り、わさびを添え、切り身をのせます。
握りすぎれば固くなり、遠慮すれば形にならない。
寿司は、力加減まで難しい!

でも、赤シャリの上に並べると、なんとか寿司らしくなりました!
お店のお寿司とは比べ物にならないけれど、
それでも自分の手で釣って、さばいて、握ったと思うと
不恰好な寿司もなんだか美味しそうに見えてきます。
キスは透き通るような白身に、ほどよい弾力。
赤シャリのまろやかな酸味ともよく合う!
そして何より、自分で釣った魚って美味しい!!

天ぷらも無事完成。
寿司も天ぷらも、
それぞれの美味しさに感動しっぱなしでした。
すしのまち とやま担当T、まだまだ勉強です。
今回初めて魚を釣って、さばいて、寿司を握りました。
いつもなら、お店で出てきた寿司をそのまま美味しくいただくだけ。
でも、1匹の魚が一貫の寿司になるまでを自分でやってみると
思っていた以上にたくさんの手間がかかっていることが分かりました。
魚を釣る人がいて、選ぶ人がいて、さばく人がいて、握る人がいる。
もちろん今回1日体験しただけで
富山の魚や寿司のことが分かったとは言えません。
むしろ、知らないことがまだまだたくさんあることが分かったほどです(笑)。
「すしのまち とやま」の新担当としては、ここからがスタートです。
これからもいろいろな場所へ出掛けて
たくさんの人に教えてもらいながら
富山の寿司の魅力をもっと知り、皆さんに発信していきたいと思います。
さぁ次は何をしよう?
新担当Tの挑戦は、まだまだ続きます!
応援よろしくお願いいたします!!

※本記事は、富山湾の魚と食文化を紹介するため、関係者の協力のもと実施した取材企画です。一般向けに販売・提供されている体験プランではありません。
※釣れる魚の種類や釣果は、季節、天候、潮、海の状況などによって異なります。
※船釣りを行う際は、経験のある案内者や遊漁船事業者の指示に従い、ライフジャケットを着用するなど、安全に十分配慮してください。