なぜ富山市は『くすりとガラスの街』なのか
北アルプスの山々に抱かれ、豊かな水と自然に恵まれた富山市。
古くから人々の暮らしを支えるものづくりの文化が育まれ、
時代ごとに新たな技術や美意識を取り込みながら、独自の発展を遂げてきました。
富山市が「くすりの街」と「ガラスの街」という二つの顔を持つようになった背景には、
長い歴史の中で紡がれてきた理由があります。
なぜ富山市は『くすりとガラスの街』なのか
その背景にある物語をたどることで、この街の魅力はより立体的に見えてきます。
その物語を順にご紹介していきます。


なぜ富山市はくすりの街なのか
江戸時代にはじまった『富山のくすり』

300年以上の歴史を持つ、越中富山の薬売り。今でこそ『くすりの富山』として有名ですが、
富山が薬で有名になったのは、ある事件がきっかけでした。それが『江戸城腹痛事件』。富山藩2代目藩主前田正甫が江戸城に参勤した折、腹痛になった大名に「反魂丹(はんごんたん)」を服用させたところ驚異的に回復したとされ、この事件がきっかけとなり「越中富山のくすり」の名が日本全国に広まりました。
現在も売薬さんは県内で多くの方が従事しており、全国各地を訪問しています。平成23年の人口当たりの医薬品生産額、製造所数及び従業者数は全国で1位であり、薬都・富山の歴史は続いています。



池田屋安兵衛商店
| 住所 | 〒930-0046 富山市堤町通り1-3-5 |
|---|---|
| 営業時間 | 【店舗】 9:00~18:00 【健康膳 薬都(2Fレストラン)】 11:30~14:00(ラストオーダー13:30) |
| 休業日 | 【店舗】 年末年始 【薬都】 火曜日、水曜日、年末年始 |
薬種商の館 金岡邸
| 住所 | 〒930-0992 富山市新庄町1-5-24 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
| 休業日 | 毎週火曜日及び年末年始(12/29~1/3) |
なぜ富山市はガラスの街なのか
『富山のくすり』に由来!?

そもそもの発端は、300年以上の伝統を受け継ぐ「富山の売薬」に由来します。明治・大正期には、薬の周辺産業としてガラスの薬びんの製造が盛んに行われ、全国のトップシェアを誇り、戦前は、富山駅を中心に溶解炉をもつガラス工場が10社以上あったといわれています。
しかし、太平洋戦争末期の富山大空襲で、ガラス工場の大半が大きな被害を受けました。
さらに、戦後はプラスチックの登場により、薬の容器ガラスからプラスチックへと代わっていきました。
戦後、徐々にガラスとのつながりが減少していったものの、かつては多くのガラス職人が活躍していた富山市。そこで、市は「ガラス」の将来性や国際性、市民との親和性に着目し、昭和60年に「市民大学ガラスコース」を開講しました。このコースの開講によって市民がガラスに親しむ機会が生まれ、これを機に「ガラスの街とやま」への取り組みがスタートしました。
そして、約30年にわたり取り組んできたガラスの街づくりの集大成として、平成27年8月に「富山市ガラス美術館」が開館しました。
【出典:広報とやま 平成28年(2016年)9月5日号】



『富山のガラス』がよくわかるスポット紹介
富山市ガラス美術館
| 住所 | 富山市西町5-1 TOYAMAキラリ内 |
|---|---|
| 営業時間 | 9:30~18:00 (展示室への入場は17時30分まで) |
| 休業日 | 第1・第3水曜日、年末年始 ※展示により異なる(臨時休館日あり、最新の情報はHPを参照) |
こうして富山市は、江戸時代から続く“くすり”の文化と、そこから派生したガラス産業という伝統を受け継いできました。そうして、現在では、ガラス芸術という新たな文化が芽吹き、街の魅力をいっそう豊かにしています。
命を守るための技、未来を見据えて育まれるガラス芸術。
それぞれが時代とともに形を変えながら、この街に息づく大切な文化として根づき、今の富山市を象徴する存在となっています。
だからこそ、富山市は今、『くすりとガラスの街』と呼ばれているのです。
富山のくすりとガラスを巡る
モデルコースのご紹介

富山市中心部を気軽に巡りながら、「くすり」と「ガラス」にまつわるスポットを楽しめる約2〜3時間の散策コースを紹介します。
移動は路面電車が便利。徒歩でもまわれるコンパクトさが魅力。路面電車の乗車代や美術館・博物館の入館料を合わせても、およそ1,000円ほどで気軽に富山の文化に触れられます。
道中では、ガラス美術館や富山城/富山市郷土博物館、池田屋安兵衛商店など、富山市の歴史や技が感じられるスポットを順に訪ねます。
さらに、昔ながらの風情が残る「島川あめ店」も周辺にあり、ちょっと寄り道にもぴったりです。
詳しいルートや見どころは、モデルコースのページでご紹介しています。
ぜひ、富山ならではの魅力を感じる小さな旅へお出かけください。